大判例

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大阪地方裁判所 昭和43年(ワ)2635号・昭43年(ワ)7809号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

〔判決理由〕四、被告三ツ輪自動車の責任

被告三ツ輪自動車が自動車の貸与を主たる目的とする会社でA車を所有していること、被告森に有償でA車を貸渡したことは、当事者間に争いがない。

<証拠>によると、次の事実が認められる。

被告三ツ輪自動車は、いわゆるドライブクラブを経営し、被告森にA車を期間を昭和四二年八月一九日一三時から翌二〇日一三時まで、運行区間は大阪からどこまでと特定せず、目的を単にドライブとしたのみで貸渡したこと、ドライブクラブと、借主との契約は(1)貸渡料金のほかガソリン代を借主の負担とし、(2)貸主は貸渡前に車輛の完全点検を行い、借主に所要の注意を与え運転の安全を確保する、(3)借主は車を管理する責任をもち他人に車を貸したり運転させないこと、事故発生の際は緊急かつ適切な処理と貸主に即時連絡をとること、(4)借主は第三者に有償で乗車させてはならないこと、(5)借主がその義務に反したり、事故発生のときは契約が解除しうること、その損害賠償をすることなどを定めていること、一般ドライブクラブ側は、借主の免許証を見て、未成年者でも貸すが、事故を起したことのある者については断ることもあり、危険な所へ行くことは一応禁じていること、被告三ツ輪自動車は、事故前すでに被告森に右契約内容で三、四回車を貸していて、いずれも一〇時間か一二時間程度であり、本件事故の際が最も長く三〇時間で、このときの料金はガソリン二〇リツトル使用で金七、六〇〇円となつたこと、被告森は、昭和四二年六月ごろ速度違反で運転停止処分をうけたことがあること等の事実が認められる。そこで自賠法三条の運行供用者とは運行支配と運行利益の帰属する者をいうが、右事実によると、ドライブクラブの経営者は、借主に対してきびしい制限や条件をつけ、それに貸渡時間が短く料金は高額であり、これからみると、借主を通じて貸渡した自動車について運行支配がなされているものと認められ、かつ料金の取得を目的としていること明らかであるから運行利益の帰属も肯認される。従つて、被告三ツ輪自動車は、運行供用者として本件事故から生じた原告の損害を賠償すべき責任がある。(東京高裁昭和四三年三月二一日判例時報五一二号参照)ところで被告三ツ輪自動車の主張は運行支配の意義を直接的なものにかぎることを前提としてドライブクラブは運行供用者でないというのであるが、危険責任、報酬責任の法理からすれば前記のとおり、運行支配を間接的なものまで認めるべきで、それがより具体的、実質的に公平、妥当な法解釈というべきである。換言すれば、借主は車の運転使用について一定の条件の枠内に制限され、しかも比較的短時間で返還を予定されていること、他方貸主は車輛の機能に欠陥がないことの責任をもつているのであるから、借主の車の運転は、いわば貸主の運行支配の延長上にあるといつてもよい。従つて、ドライブクラブの場合において、借主が排他的に運行しうるというのは、部分的ないしは皮相的な見方であり、これを採ることは相当でない。なお、家屋、工場と自動車を同視してうんぬんするのは異質のものを比較するもので適切とは考えられない。(藤本清)

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